『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』などで知られるいわむらかずお(岩村和朗)は、身近な雑木林と家族の暮らしを細やかに描いた絵本作家です。森で働くねずみたちの小さな姿と、光や草木が変わっていく様子を一枚の画面に描き込み、子どもが自分で発見していく楽しみを生みました。
1939年に東京都で生まれ、東京芸術大学工芸科を卒業。1970年『ぷくぷくのえほん』で絵本作家デビュー、1975年に栃木県益子町の雑木林へ移り住みました。1983年、のちに全12作となる「14ひきのシリーズ」が始まり、国内外で広く読まれるようになります。2024年12月19日に85歳で亡くなりました。
本文では学歴や戦争中の経験、益子での創作、代表作の作風と受賞歴を整理し、初めて読むための6冊を比較します。同じ14ひきでも引っ越し・食事・冬・お月見は見どころが異なります。「タンタンのえほん」や『かんがえるカエルくん』にも触れ、どんな順番で読むと楽しみが広がるかを紹介します。
- 東京芸術大学工芸科卒業。1975年に栃木県益子町へ移り住み、自然の中で絵本を描いた
- 1983年開始の「14ひきのシリーズ」は家族と自然が中心。12作を通じて季節や暮らしを描く
- 『タンタンのずぼん』『かんがえるカエルくん』など、遊びや問いを楽しむ作品も手がけた
絵本の世界を支えた学歴と暮らしを整理します。
いわむらかずおの経歴・学歴|東京から絵本作家へ
いわむらかずおは1939年、東京都に生まれました。幼いころに戦争が激しくなり、5歳のころ秋田県の祖父母のもとへ疎開します。東京を離れて過ごした自然の中の時間と、家族が離れ離れになる心細さは、後の創作を考えるうえで重要な経験です。
終戦後、東京に戻った家族は杉並区の八畳一間で生活しました。家族は多く、台所や風呂も自分たちで工夫して整えたと、本人が好書好日のインタビューで語っています。貧しさの中でも、家族で食べ、働き、協力する日々が続きました。
東京芸術大学工芸科を卒業しました。専攻で何年に卒業したかなど、確認した公式資料に記載がない細部は推測しません。美術を専門的に学んだのち、子どもの本を制作する道へ進みます。
絵本の中の森を、単なる美しい景色として描くだけでなく、そこで暮らす家族の仕事と結びつけるところに特色があります。疎開と戦後生活の経験は、食べることや住まいを作ることの重みを知る背景にもなりました。
本人は戦時中に家族と離れた日々を振り返り、母親と会えなかったことがつらかったと語っています。14ひきの大家族を理想化された夢物語とだけ受け取らず、家族が一緒に暮らせることを願った作者の歴史にも目を向けると、見え方が変わります。
1970年『ぷくぷくのえほん』でデビュー|初期の絵本と遊び
1970年、『ぷくぷくのえほん』(実業之日本社)で絵本作家としてデビューしました。デビュー年と書名は、いわむらかずお絵本の丘美術館による展示記録と童心社の記念記事で確認できます。
1970年代には『くまでんしゃ』『うさぎのへや』など、自分で物語も絵も手がける作品を発表しました。神沢利子や佐藤さとるなど、別の文作家と組んだ絵本の仕事も経験しています。
この時代の画面には、小さな子どもの好奇心と動物のしぐさが活発に描かれています。まだ「14ひき」は登場していませんが、人間と動物、自然と遊びの距離を近づける姿勢は見られます。
1976年刊行の『タンタンのずぼん』では、子ざるのタンタンが大きなズボンを使って遊びを広げます。作者の世界を『14ひき』以外から知りたいとき、親しみやすい初期作品です。
1978年の『タンタンのぼうし』も小さな子どもの発想を中心に据えます。現実の道具が遊びの中で別のものに見える面白さは、森や家族を描く大画面とは違った絵本の技術を感じさせます。
1975年の転機|栃木県益子町の雑木林へ移住
1975年、いわむらかずおは東京を離れ、栃木県益子町の雑木林に移り住みました。森の家族の絵本を描くなら、自分もそのような場所で家族と暮らしたいと考えたためです。
当時は四人目の子どもが生まれ、子育ての場所を考える時期でもありました。作者は後年、自然豊かな環境が子どもを育てるうえで大切だと思ったとインタビューで話しています。
雑木林には冬の落葉、春の新芽、夏の虫の声、秋の木の実があります。同じ場所でも毎日見えるものは異なります。そこに暮らし続けることは、机上の資料だけでは得られない色や音を記憶することでもありました。
移住してすぐ『14ひき』が生まれたわけではありません。作者によれば、シリーズが刊行されるまで約8年を要しました。自然の中で生活し、森の家族の情景を熟成させた時間があったのです。
美術館の公式プロフィールには1975年の転居が記されています。栃木県益子町の住まいと、のちに那珂川町へ開いた「絵本の丘美術館」は異なる場所なので、作者の生活拠点と美術館の所在地は分けて理解すると正確です。
1983年『14ひきのひっこし』と『14ひきのあさごはん』|シリーズが誕生
1983年7月10日、童心社から『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』が同時刊行されました。14ひきとは、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんと、10ぴきのきょうだいを合わせたねずみの大家族です。
『14ひきのひっこし』では森へ移動し、木の根元を利用した住まいを作ります。橋や水道など、生活のために必要な設備を家族で整えていく様子は、冒険と暮らしの記録の両方として読めます。
『14ひきのあさごはん』では朝の身支度、木の実集め、パン作り、食卓という時間が流れます。大事件を起こさなくても、毎日の手仕事に新しい発見があることを、豊かな自然描写とともに伝えます。
作者が一つの画面に家族全員を描き込んだため、子どもは同じ場面を見ながら別々のねずみを追えます。あるページでは働く一匹に、次のページでは遊ぶ一匹に目が向き、読むたびに小さな物語が見つかります。
「14ひきのシリーズ」はその後『14ひきのもちつき』(2007年)まで全12作に広がりました。国内での愛読に加え、フランス、ドイツ、台湾など多くの国へ翻訳されています。
1985年から1988年の季節の絵本|冬と春、秋の光を描き分ける
『14ひきのさむいふゆ』は1985年刊行の第4作です。雪の降る日に家の中でおまんじゅうを作り、そりを用意する家族の姿を描きます。室内の暖かさと外の冷たさが、色や構図から伝わってくる作品です。
1986年刊行の『14ひきのぴくにっく』では、家族が森へ出かけ、春の草花や小さな生き物と出会います。歩くこと自体を楽しむような構成で、目的地だけに焦点を当てないところが魅力です。
1988年刊行の『14ひきのおつきみ』では、月を迎える準備をする家族と、夕暮れから夜へ移る森が描かれます。お月見台を作る仕事と、暗くなる空の色の変化が一つの時間の中に重なります。
季節を説明する言葉よりも、植物、服装、家の仕事、空の明るさが季節を語るのが特徴です。子どもに四季を教え込むためではなく、絵を見て「今日はどんな日?」と話せる作品になっています。
家族の動きにも変化があります。冬は屋内で作る楽しさ、春は外へ出かける喜び、秋は夜空を見上げる静けさが中心。どれか一冊を読んだら、同じねずみたちが別の季節に何をしているかを比べると、シリーズの立体感が増します。
1988年「こりすのシリーズ」|小さな生き物の視点
1988年には至光社から「こりすのシリーズ」の『もりのあかちゃん』が刊行されました。子リスたちが小鳥の赤ちゃんを見つけ、世話をしようとする物語です。
『14ひき』の大家族に比べると、子リスたちの世界はより小さく、一つの出会いにじっくり目を向けられます。小鳥の世話をしようとする気持ちと、何が必要かわからない戸惑いが物語を動かします。
続くシリーズでも森の中の命と生活が扱われています。ねずみの家族を描くときと同様、登場する動物のしぐさを細かく描きながら、一人ひとりの性格を感じられるのが特色です。
幼い子どもと動物の関係を考えたいときは、怖さよりも好奇心や思いやりに注目して読みやすい作品です。森で遊ぶという体験を、大きな自然の中の小さな冒険として描いています。
1996年『かんがえるカエルくん』|問いを楽しむ絵本へ
1996年、福音館書店から『かんがえるカエルくん』が刊行されました。カエルくんとネズミくんが、虫の顔や空、自分とは何かについて、あれこれ考える絵本です。
小さなコマを連ねた構成は、森の広い風景を見開きで描く『14ひき』とは大きく異なります。人物がひとつの疑問から別の疑問へ移るまでの時間が、絵の間隔から伝わります。
答えをすぐ言う人がいないからこそ、子どもも一緒に「どうしてだろう」と考えられます。何かを教える説明図としてではなく、問い続けること自体が面白いという感覚を育てる作品です。
シリーズには『もっとかんがえるカエルくん』『よーくかんがえるカエルくん』などの続編があります。自然を観察することから哲学的な問いへつながる点では、作家の興味が一貫しているとも読めます。
本作は講談社出版文化賞絵本賞を受賞しました。子ども向けの絵本でも、必ずしも結論のある教訓や大きな事件が必要ではないことを示す一冊です。
1998年「いわむらかずお絵本の丘美術館」|里山を守る試み
1998年、栃木県那珂川町(当時の馬頭町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」が開館しました。雑木林や草地、田畑、ため池などがある里山に、美術館と周囲の自然をつないだ場所です。
展示室で絵の原画を見たあと、その外にある木や虫、鳥の声を自分で探すことができます。絵本が絵本だけで終わらず、自然の現場での観察へ広がることが、美術館の独自性です。
1998年に開館した時点でも「14ひき」はロングセラーになっていました。しかし作者は完成した絵を見せることだけを目的とせず、子どもが里山の自然を身近に感じられる空間にこだわりました。
訪問する際は展示替えや開館日の確認が必要です。里山の環境を感じられる施設なので、屋外へ足を運ぶ前に過ごし方も考えてみるとよいでしょう。
いわむらかずおの主な作品と作風・特徴
いわむらかずおの主要作品を比べる
気になる作品を、刊行時期・ジャンル・作品の位置づけから見比べられます。
自然を背景で終わらせない細密な絵
葉の形、石や木の根、木漏れ日などを小さく描き込み、自然の中に暮らす動物の大きさを感じさせます。植物と動物が同じ場所で生きていることを絵から読み取れる作品です。
同じ画面を何度も見返すうちに、小さな生き物や植物の新しい姿が見つかります。どんな生き物が隠れているかを話すと、読み聞かせが観察する時間にも変わります。
家族の仕事を一つずつ描く
『14ひきのひっこし』の家づくり、『14ひきのあさごはん』の食事、『14ひきのもちつき』の準備は、家族がそれぞれ異なる役割を担って進みます。小さなねずみもできる仕事を見つけて参加します。
主人公一匹の成功に注目する物語よりも、いろいろな年齢の人物が同じ時間を過ごす姿を楽しめます。仕事の順番を追うと、暮らしが多くの手間に支えられていることも伝わります。
短い言葉と長い眺めを両立させる
文章は短く、絵に多くを任せる場面があります。読み手が文字を読み終えても、見る楽しみは続きます。ねずみの一匹ずつが何をしているのか、子どもに発見する余地が残されています。
画面の中の虫や草花は、物語の筋を知らなくても楽しめる要素です。同じ本を何度も読んだときに、初めて気づくものが見つかるような作りになっています。
遊びから問いへ広がる視野
『タンタンのずぼん』は身近な道具を遊びに変え、『かんがえるカエルくん』は疑問そのものを物語にします。広い森を描く『14ひき』とは画面も語り口も違います。
共通するのは、子どもが自分で何かを見つけたり、想像を広げたりすることを尊重している点です。作者の全体像を知るには、シリーズをまたいで読んでみるとよいでしょう。
いわむらかずおと家族・出版社|創作を支えた関係
家族との暮らしは「14ひき」の発想を育てる重要な土台でした。作者は子育てのためにも自然の多い土地へ移ったと説明しています。絵本に登場する働く家族の姿は、自身の育児経験にも支えられています。
童心社とは1983年のシリーズ開始から長く協力し、12作の刊行や外国語版、40周年の映像インタビューなどを実現しました。偕成社では「タンタンのえほん」、至光社では「こりすのシリーズ」を手がけています。
栃木県那珂川町の絵本の丘美術館では、原画を展示するとともに、作者が大切にした里山の自然を来館者に伝えています。制作の世界を実際の里山と結びつけた活動である点に特徴があります。
いわむらかずおの代表作・おすすめ作品6選
『14ひきのひっこし』|シリーズの最初の一冊
物語を順番に追うなら『14ひきのひっこし』がおすすめです。新しい住まいを見つけるため、家族が森を歩き、根元に家を作るところから始まります。
川を渡ったり、橋を作ったりする場面は、冒険が好きな子どもにも楽しいでしょう。家族の誰が何をしているか探してみると、にぎやかな絵に入りやすくなります。
シリーズの土台になる家や森ができる物語なので、次の『14ひきのあさごはん』へ自然につながります。1983年7月刊、童心社・32ページ。
シリーズを通読したい人はここから始めると人物が覚えやすくなります。
『14ひきのあさごはん』|食べ物と家族の暮らしを楽しむ
森の朝、子どもも大人も起きて、食卓のためにそれぞれの仕事を始めます。野いちごを探す子どもたち、どんぐりの粉でパンを作る家族。食事ができるまでの過程を眺める絵本です。
食べることや料理に興味がある幼い子なら、森の材料と自分の朝ごはんを比べてみるのも楽しい読み方です。単独で読んでも日常の物語として楽しみやすいのが魅力です。
1983年刊行の童心社の32ページ。読んだ後に家族で朝食を用意すると、絵本の仕事分担が身近に感じられます。
登場人物を一匹ずつ探す遊びにも向いているため、読み聞かせを繰り返す家庭に適しています。
『14ひきのさむいふゆ』|冬の室内と外遊びを味わう
寒い日の室内ではおまんじゅうを作り、おじいちゃんたちは木や竹で遊び道具を用意します。雪がやむと、準備したそりで外へ。冬の一日の変化が楽しめます。
ストーブの明かり、窓の外の雪、晴れた空など、暖かい部屋と寒い森の色を比べるのがおすすめです。家の中で過ごす時間の充実と、外遊びの解放感の両方を味わえます。
1985年11月刊行の童心社の第4作。冬の季節感を楽しみたいときに手に取りたい一冊です。 雪の降らない地域に住む子にとっても発見があります。
工作が好きな子と読むと、道具を組み立てる場面について「どう作るのかな」と話が広がります。
『14ひきのおつきみ』|夕暮れの光と秋の森
森の高いところにお月見台を作り、夜を迎える準備をする家族の物語です。作業中のにぎやかさと、月を眺める静けさが一冊の中でつながります。
空の色の変化や、木々に差す光に注目すると、ページが進むにつれて一日が終わっていくのを感じられます。動きのある冒険よりも風景の美しさを味わいたい人に向いています。
1988年6月刊、童心社の32ページ。秋の行事の前に読んで、夜空を見上げる体験と結びつけるのもおすすめです。
同じ画面をじっくり眺めたい子どもなら、家族の小さな仕草や空の表情も探してみてください。
『タンタンのずぼん』|ユーモラスな遊びの入門
子ざるのタンタンのズボンは大きめで、ブランコや電車ごっこなど、思わぬ遊びに役立ちます。ひとつの道具から別の発想が続くテンポのよい物語です。
森を細かく描いた大型の『14ひき』と違い、登場人物の動きに注目しやすい構成です。短いお話から入りたい子や、遊びのまねをしたくなる子に向いています。
1976年12月刊、偕成社・40ページ。『14ひき』の作者が描く別のユーモアを知る入口として選べます。
読み終えたら、日常の道具を別の遊びに使えるか想像してみると、物語の楽しさを生活につなげられます。
『かんがえるカエルくん』|「なぜ?」を楽しむ
カエルくんとネズミくんが、シジミやミミズの顔、空や自分のことを考えるコマ割りの絵本です。ひとつの疑問を友達と考え、また別の問いへ進むやりとりが中心です。
はっきりした答えが出ないこともあるので、読み聞かせの途中で「どう思う?」と子どもに聞きやすい作品です。ひらがなを読む年齢になってからも、自分のペースで一コマずつ楽しめます。
1996年4月刊、福音館書店。物語より問いを楽しみたい親子、考えることが好きな子どもへ。
普段見ている生き物について、顔や名前など身近な疑問を話し合うきっかけになる一冊です。
いわむらかずおのおすすめ絵本と読む順番
好みを選ぶと、この記事に登録された作品から「1冊目 → 2冊目 → 3冊目」の読む順番を提案します。
シリーズを味わうなら『14ひきのひっこし』→『14ひきのあさごはん』→『14ひきのさむいふゆ』の順番です。家づくりから日々の暮らしへ進み、季節の変化を楽しめます。
家族の物語を読むルート
『14ひきのひっこし』→『14ひきのあさごはん』→『14ひきのおつきみ』。はじめに森の家ができる経緯を知り、そこで過ごす朝と秋の夜を比べます。家族の誰が何を担当しているか見つけながら読むのがおすすめです。
季節の変化を味わうルート
『14ひきのさむいふゆ』→『14ひきのぴくにっく』→『14ひきのおつきみ』。冬・春・秋の風景をたどる順番です。花や昆虫、空の色がどのように変わるかを絵で比べられます。
違う作風を楽しむルート
『タンタンのずぼん』→『14ひきのあさごはん』→『かんがえるカエルくん』。ユーモア・暮らし・問いと作品の構成を変え、作者の絵と文章の幅を知るコースです。
いわむらかずおの受賞歴|絵本にっぽん賞から国際的評価へ
代表的な受賞には、『14ひきのあさごはん』の絵本にっぽん賞、『14ひきのやまいも』などに対する小学館絵画賞、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』の産経児童出版文化賞、『かんがえるカエルくん』の講談社出版文化賞絵本賞があります。
2014年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章しました。翻訳を通じて各国の読者に作品が届き、日本の森の生活という具体的な題材が国外にも共感を呼んだことがうかがえます。
賞の名称や受賞年は時期により異なるため、作品を調べる際には出版社や美術館の年譜で確認すると安心です。また、シリーズ全巻が同じ賞を受賞したわけではなく、個別の作品への評価と作家全体の功績は分けて考えましょう。
いわむらかずおの生涯・晩年|2024年の死去と遺された絵本
いわむらかずおは2024年12月19日に85歳で亡くなりました。童心社は2025年1月、訃報を公表し、1983年から続いた「14ひきのシリーズ」が世界中で読まれたことを改めて伝えています。
晩年まで栃木県の里山の自然や家族の暮らしを大切にし、絵本の丘美術館を通して作品と実際の森を結び続けました。原画展やイベントは、作者の絵を眺めたあとに自然に触れられる場として続いています。
『14ひきのもちつき』(2007年)は全12作の最終巻にあたり、朝の準備から餅を食べるまでの手仕事を描きます。最初の『ひっこし』に描かれた協力する家族の姿が、最後まで物語の中心にありました。
没後の読者は、子どものころに読んだ絵本を自分の子どもへ読み聞かせることもできます。作品が残すのは登場人物だけでなく、親子が同じ絵を見て言葉を交わした時間でもあります。
2026年・絵本の継承と最新情報|全12巻と美術館
2026年時点でも、童心社の公式サイトは「14ひきのシリーズ」を全12巻として紹介しています。単品に加え、3冊ずつのセットや持ち運びに便利なポケットえほんなど、用途に合った版が用意されています。
本のサイズによって絵の見え方は変わります。細かく描かれた植物や生き物を親子で眺めるなら、大きめの通常版が便利です。外出先では小型版を選ぶなど、版型も確認しましょう。
いわむらかずお絵本の丘美術館では、常設の活動や企画展を通じて作者の仕事を紹介しています。最新の展示や開館情報は美術館公式サイトで確認できます。
『14ひき』だけでなく、『タンタン』や『かんがえるカエルくん』を読み比べると、自然の風景と想像力を大切にした創作の幅が見えてきます。
いわむらかずおについてよくある質問
いわむらかずおの出身地と学歴は?
東京都生まれで、東京芸術大学工芸科を卒業しました。
いつ亡くなりましたか?
2024年12月19日、85歳で亡くなりました。出版社・童心社が公表しています。
「14ひきのシリーズ」は何冊ある?
1983年の『14ひきのひっこし』から2007年の『14ひきのもちつき』まで、全12作です。
シリーズをどれから読めばよい?
物語の始まりを知るなら『14ひきのひっこし』、日常の楽しさなら『14ひきのあさごはん』がおすすめです。
ほかの代表作には何がある?
『タンタンのずぼん』『もりのあかちゃん』『かんがえるカエルくん』などがあります。
絵本の丘美術館はどこにある?
栃木県那珂川町にあります。作者が1975年に移住した益子町の住まいとは別の場所です。
まとめ|いわむらかずおは家族と自然の時間を描いた絵本作家
いわむらかずおは東京で生まれ、芸術大学で学び、益子町の雑木林に暮らしながら『14ひきのシリーズ』を描きました。森の四季や家族の協力を丁寧に描き、絵を見て発見する楽しみを次の世代へ残しました。
最初の一冊には『14ひきのひっこし』か『14ひきのあさごはん』を。季節を楽しむなら『14ひきのさむいふゆ』『14ひきのおつきみ』、少し違う作風を知りたいなら『タンタンのずぼん』『かんがえるカエルくん』が向いています。











