酒井駒子(さかい・こまこ)は、絵本『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』『はんなちゃんがめをさましたら』などで知られる絵本作家です。暗がりにいる子どもの気持ちや、静かな時間に訪れる小さな出来事を、柔らかな光と奥行きのある絵で描きます。
1966年に兵庫県で生まれ、東京藝術大学美術学部で油画を学びました。卒業後はデザインの仕事を経て、1998年の『リコちゃんのおうち』で絵本作家デビュー。2000年代には国内外の絵本賞を受賞しています。
この記事では学歴・経歴、紙に描くこととの出会い、代表作の作風、受賞歴、共作者との仕事を紹介。子どもと読む絵本から大人向けの短編集まで、おすすめ8冊と読む順番を整理します。
- 1966年兵庫県生まれ。東京藝術大学で油画を学び、デザインの仕事を経て1998年に絵本作家デビュー
- 『よるくま』など子どもの不安とぬくもりを描き、『金曜日の砂糖ちゃん』で2005年ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌を受賞
- 自分で文と絵を作るだけでなく、あまんきみこや湯本香樹実との共作、海外文学の絵と抄訳、装画でも活動
油絵から紙の絵、そして世界に広がる絵本へ
酒井駒子の経歴・学歴|兵庫県から東京藝術大学へ
1966年兵庫県生まれ|子どものころに絵本を手作り
酒井駒子は1966年、兵庫県に生まれました。子どものころから絵を描くことが好きで、中学生ぐらいには絵本を作りたいという気持ちを抱き、実際に自分で絵本を作ったことがあると東京藝術大学のインタビューで語っています。
一方で、子ども時代から将来の仕事を一直線に決めていたわけではありません。絵本作家になる夢はいったん日常から離れ、大学卒業後の会社員生活を経験してから再び大きくなりました。
幼少期に通った学校や詳しい転居歴について、確認できない情報は推測しません。経歴を考えるときは、本人の言葉と出版社の著者紹介を基準にすることが大切です。
最終学歴は東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻
最終学歴は東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業です。大学ではキャンバスに絵の具をのせ、油彩画を学んでいました。
現在の絵本に見られるざらっとした紙の質感だけを知っていると、油絵出身という学歴は少し意外かもしれません。油彩で培った色や陰影への感覚が、紙という別の材料と出会って新しく変わっていきます。
卒業年度や研究室名などの細かい情報は、東京藝術大学の公開インタビューでは確認できません。大学で何を学び、そのあと何を見つけたのかを中心にたどりましょう。
和のテキスタイルなどを扱うデザインの仕事から転身
大学卒業後はデザインのアトリエのような職場に就職しました。着物など和物のテキスタイルデザインに関わり、日本画や琳派の模写も経験したと本人は振り返っています。
それまで油絵のキャンバスや硬い支持体に向かっていた酒井にとって、紙に絵を描くことは就職先で得た新しい経験でした。絵の具が紙にしみたり、筆の跡が残ったりする面白さが生まれます。
古典絵画を模写する過程では、ただ形をなぞるだけでなく、画家が何を選び、どこに色を置いたのかをじっくり見ます。その観察は、後年の絵本で一枚の絵が持つ密度にもつながって見えます。
会社勤めは自分に向いていないと感じ、ひとりで仕事ができるようになりたいと考え始めたころ、かつて抱いていた絵本作家への思いを思い出しました。20代半ばから後半にかけて、絵本制作へ向かう転機が訪れます。
1998年『リコちゃんのおうち』でデビュー|絵本づくりの出発点
1998年、偕成社の『リコちゃんのおうち』で絵本作家デビューします。人形やぬいぐるみが好きな女の子リコちゃんが、段ボールの家を作って遊ぶお話です。
子どもが作る小さな空間を題材にしたことは、酒井作品の重要な入口です。大人から見れば普通の箱でも、子どもにとっては家具の配置や住む人の物語まで備えた一つの家になります。
絵本づくりを職業にする以前から、酒井には子どもの遊びを一冊へまとめたい気持ちがありました。油彩画やデザインでの経験が、子どもの生活に寄り添う作品へ形を変えたのです。
同じ1990年代の終わりには、長く読み継がれる『よるくま』も生まれました。親子を扱う温かな物語と、暗闇の中で子どもが見つける冒険が、初期の創作を広げていきます。
1999年『よるくま』|真夜中のお母さん探し
『よるくま』は1999年11月に偕成社から刊行されました。ある夜、男の子の前に黒い子ぐまが現れ、いなくなったお母さんを一緒に探してほしいと頼みます。
二人が出かけるのは、昼間とはまったく違って見える夜の町。暗さへの不安と、大切な人を探す気持ちが重なる物語です。読み聞かせる声を少し落とすと、夜の静けさがより伝わります。
くまの母親を見つけるという分かりやすい目的がありますが、結末まで進むと、男の子自身と母親の関係にも目が向きます。寝る前にお母さんと読む時間に似合う一冊です。
偕成社の書誌では対象年齢の目安を3歳からとしています。怖がる子なら昼間に一緒に開いてみるなど、反応に合わせて選ぶこともできます。
2003年『金曜日の砂糖ちゃん』|絵と文章による三つの短編
2003年10月刊行の『金曜日の砂糖ちゃん』には、表題作のほか「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」の3篇が収められています。61ページの小さな本で、ひとりでいる子どもの時間をそれぞれ異なる絵で描きます。
著者が刊行時に寄せた言葉によると、登場人物は3人の子ども。時間がゆっくり流れたり、夕方の空の色が変わったり、時計が動かないように感じられたりします。
絵の具だけでなく、ダーマトグラフやボールペンを使って描いたと作者は説明しています。同じ子どものテーマでも画材と線の動きが違い、短編ごとに別の呼吸があるところが見どころです。
2005年、ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)金牌を受賞。国内の書店だけでは伝わらない絵の力が、国際的な原画展でも認められた作品です。偕成社は対象年齢を「中学生から」としています。
酒井駒子の主な作品と作風・特徴
酒井駒子の主要作品を比べる
気になる作品を、刊行時期・ジャンル・作品の位置づけから見比べられます。
酒井駒子の絵本では、黒や深い青、淡い明るさ、かすれた線が組み合わされます。何かが起こる少し前や、静かに気持ちが動く瞬間を絵の中に留める作風が印象的です。
暗闇と光の対比|夜を怖さだけで終わらせない
夜を描く絵本は『よるくま』だけではありません。『はんなちゃんがめをさましたら』では、深夜にひとりで目を覚ました女の子が、家の中を自分の目で見つめます。
暗い背景には不安が含まれますが、布団や窓からの光、ぬいぐるみ、家族の気配も映ります。光る場所を画面の中から探すと、同じ夜の絵でも違う感情が見えてきます。
輪郭がはっきりしすぎないものもあり、読む人が見えていない部分を想像する余地があります。明るい絵だけが安心を伝えるのではないことを感じられます。
画材の重なり|紙・絵の具・線が残す手触り
絵本の印刷面からも、絵の具を塗ったあとや線の重なりを感じられます。装飾的に整えすぎない表情は、子どもが泣いたり不安になったりする場面にも合っています。
藝大のインタビューでは、就職先で初めて本格的に紙に絵を描いた経験に触れています。日本画や琳派の模写で紙との距離を知ったことが、のちに絵本へ進む過程で大切だったと分かります。
絵と文章を一人で作る作品も、他者の文章に絵を添える仕事も、画面を作る方法は同じではありません。作品ごとに画材や色彩がどう変わるかを比べると面白いでしょう。
子どもの孤独と想像力|ひとりの時間を描く
『リコちゃんのおうち』では自分の遊びの世界、『金曜日の砂糖ちゃん』ではひとりでいる時間、『はんなちゃんがめをさましたら』では夜中の探検が中心になります。
子どもの気持ちは必ずしも声に出されません。ひとりで考えたり、物に話しかけたり、見慣れた部屋が別世界に見えたりします。こうした時間を描く際、作者は大人の説明を先回りさせません。
読み手が「こういう意味だよ」と結論を決める必要はありません。好きな小道具や目線の向きを探すだけでも、一冊に親しめます。
共作の絵本|別の書き手の言葉に風景を与える
あまんきみこ作『きつねのかみさま』、湯本香樹実作『くまとやまねこ』など、他の書き手との共作も高い評価を受けています。文章を受け取り、その余白へ絵の時間を加える仕事です。
『きつねのかみさま』では子どもときつねたちの交流を、『くまとやまねこ』では友だちを失ったくまの心の動きを描きます。話の展開を絵だけで説明するのでなく、言葉が語り切れない表情を見せます。
原作・作画の役割を分けて確認すれば、酒井自身が文を書いた絵本との違いも分かります。どの作家の言葉と組み合わせた絵なのかという視点は、共作絵本を深く味わう入口です。
2004年から2009年|国内外の絵本賞で評価
あまんきみこ作『きつねのかみさま』は2004年、第9回日本絵本賞を受賞しました。2003年刊の絵本で、女の子ときつねの子たちがなわとびをする不思議な時間が描かれます。
2005年の『金曜日の砂糖ちゃん』のBIB金牌に続き、『ぼく おかあさんのこと…』は2006年にフランスのPITCHOU賞、オランダの銀の石筆賞を受賞しています。子どもの気持ちを繊細に描く絵の世界が国を越えて届きました。
2008年刊の『くまとやまねこ』は翌2009年に第40回講談社出版文化賞絵本賞を受賞。湯本香樹実による文章と酒井の絵が、喪失から始まる物語をつくりあげました。
2015年には『ロンパーちゃんとふうせん』でイタリアのNati per Leggere Italiaを受賞。初期の子ども向け作品も、刊行から時間がたって国際的な評価につながっています。
『くまとやまねこ』と『ビロードのうさぎ』|別れと回復を描く
『くまとやまねこ』|友だちを失ったくまの時間
湯本香樹実が文、酒井駒子が絵を担当した『くまとやまねこ』は2008年4月に河出書房新社から刊行されました。48ページの絵本で、大切な友だちの小鳥を失ったくまが、悲しみに閉じこもるところから始まります。
やまねことの出会いは、失ったものをなかったことにする出来事ではありません。くまの心に時間が流れ、もう一度ほかの存在に目を向けられるようになる過程が描かれます。
急に元気になることを求めず、悲しみのそばに静かにいる物語です。喪失を扱うため、子どもへ読むときは感情の動きに合わせ、途中で話をしてもよいでしょう。
『ビロードのうさぎ』|愛されたおもちゃの変化
2007年4月にブロンズ新社から刊行された『ビロードのうさぎ』は、マージェリィ・W・ビアンコの物語を酒井が絵と抄訳で手がけた作品です。ぼうやに大切にされたおもちゃが、ある変化を経験します。
原作の全訳ではなく、酒井による抄訳の絵本です。読み比べたい人は、翻訳者と版を確認すると内容の違いが分かります。絵の雰囲気も原作の物語へ新たな色合いを与えています。
小さな子が毎日抱きしめたおもちゃには、ほころびや使い込んだ跡が残るものです。物の古さと、誰かに愛された時間を結びつける絵をじっくり眺めたい一冊です。
酒井駒子の代表作・おすすめ作品8選
入門、寝る前の読み聞かせ、親子の気持ち、喪失の物語、絵そのものを楽しむ短編集と、読む目的ごとに8冊を選びました。初めてなら『よるくま』、大人が絵を味わうなら『金曜日の砂糖ちゃん』もおすすめです。
『よるくま』|お母さんを探す夜の冒険に
男の子がよるくまと出会い、一緒に母親を探すお話です。夜の町に出かける楽しさと、お母さんを恋しく思う気持ちが隣り合います。就寝前に親子で開く、はじめての酒井作品として向いています。
目の形や抱きしめるしぐさを追うと、文章だけでは言い尽くせない安心感を見つけられます。偕成社の対象年齢の目安は3歳からです。
『はんなちゃんがめをさましたら』|静かな夜を好きな子へ
みんなが眠っている真夜中に、ひとり目を覚ましたはんなちゃん。家の中をいつもと違う目で見ながら、小さな発見を重ねます。大きな事件より、いつもの部屋の新鮮さを楽しむ絵本です。
猫のチロの姿も探しながら読むと、夜中の家に息づくものの気配を感じます。寝る前の一冊にも、昼間に「夜ってどんな感じ」と話すきっかけにもなります。
『ロンパーちゃんとふうせん』|大切な物との時間を感じたい子へ
お母さんと出かけたロンパーちゃんが黄色い風船をもらい、友だちのように大切にします。しかし、思いがけない出来事が起こります。愛着のある物との関係を描く話が好きな子に向いています。
風船の色が画面の中でどう見えるか、女の子の表情がどう変わるかに注目してみましょう。絵の余白が、言葉にならない気持ちを伝えます。
『きつねのかみさま』|ふしぎな出会いを楽しみたい人へ
あまんきみこが文を書いた一冊。りえと弟が、きつねの子たちとなわとびをして遊びます。「誰のなわとびなのか」という不思議な出来事から、子どもの想像と昔話のような空気が生まれます。
自分の物をめぐる小さな謎が、現実とは違う世界へ自然につながるところが魅力です。3〜5歳向けというポプラ社の年齢表示も目安にしてください。
『くまとやまねこ』|喪失と友情をじっくり読む人へ
友だちの小鳥を失ったくまが、やまねこと出会います。静かな色彩が悲しみを強調するというより、くまが少しずつ顔を上げるための時間を作ります。大人と子どもが同じ本を異なる感想で読める一冊です。
誰かを失う話題に敏感な子には、先に大人が読んでから一緒に開くとよいでしょう。読み終えたあとに、無理に教訓を見つける必要はありません。
『金曜日の砂糖ちゃん』|絵そのものを鑑賞したい大人へ
三つの短編を収録した小さな本。淡い日常に別の時間が重なったような絵の中で、ひとりでいる子どもの世界が広がります。中学生以上を対象とした作品なので、大人の読書にも入りやすい一冊です。
絵の具と線の違いを見つける読み方もおすすめです。小さな判型と長めの静かな場面が、絵を一枚ずつ味わう時間につながります。
『ビロードのうさぎ』|愛されたおもちゃの物語を読むなら
古典として親しまれる原作の世界を、酒井自身の絵と抄訳で読むことができます。幼い子の愛着と別れ、物が変わっていく様子を描く物語に興味がある人におすすめです。
酒井の文と絵がそろっているため、ほかの翻訳版と見比べる楽しみもあります。原作と抄訳の関係を知りたい大人の読者にも向いています。
『ヨクネルとひな』|猫との暮らしを好きな人へ
LEEが文、酒井が絵を担当。ひなちゃんの家へ、母猫が小さな子猫を連れてきます。丁寧に世話をしながら、ひなちゃんが命あるものと向き合うお話です。
やせた子猫の表情、手にそっと抱く場面、青い目の変化を見つけてみましょう。動物への親しみがあり、毎日の世話の意味を考えたい子と読むのに向いています。
酒井駒子の絵本は何歳から?おすすめの読む順番
好みを選ぶと、この記事に登録された作品から「1冊目 → 2冊目 → 3冊目」の読む順番を提案します。
年齢はあくまで出版社の目安。『よるくま』『はんなちゃんがめをさましたら』は3歳からと案内されています。『金曜日の砂糖ちゃん』は中学生からなので、同じ作者でも入口を変えると読みやすくなります。
夜と親子の安心ルート|『よるくま』→『はんなちゃんがめをさましたら』
お母さん探しの冒険から始めて、次は子どもがひとりで過ごす夜へ。暗い画面から安心を見つけるという共通点があり、親子で読み比べやすい順番です。
不思議と動物のルート|『きつねのかみさま』→『ヨクネルとひな』
きつねの子たちとの不思議な遊びを楽しんだあと、家に迎えた子猫の世話へ進みます。想像の動物と現実の動物で、作者の絵がどう変わるかを見比べられます。
大人の絵本ルート|『金曜日の砂糖ちゃん』→『ビロードのうさぎ』→『くまとやまねこ』
一人の時間を描く短編、愛着のある物の物語、友だちとの別れを描く共作へ。作品の長さよりも感情の余韻を大切にしたい人に合う順番です。
酒井駒子の受賞歴|BIB金牌・日本絵本賞・海外賞
2004年にはあまんきみこ作『きつねのかみさま』で第9回日本絵本賞を受賞し、翌2005年に『金曜日の砂糖ちゃん』の原画でBIB金牌を受賞しました。絵本と原画の両方で評価が続きます。
2006年には『ぼく おかあさんのこと…』がフランスのPITCHOU賞とオランダのZilveren Griffel(銀の石筆賞)を受賞。『ロンパーちゃんとふうせん』は2015年にイタリアのNati per Leggere Italiaを受賞しました。
『くまとやまねこ』では2009年に第40回講談社出版文化賞絵本賞を受賞。作品の絵の美しさだけでなく、書き手と絵描きの協働が評価された点にも注目です。
受賞作品をたどると、自作の短編から他者の文章を描く共作、幼い子向けの絵本まで、異なる形の仕事が幅広く認められてきたことが分かります。
酒井駒子の制作方法|紙・模写・古典絵画との出会い
東京藝術大学のインタビューで酒井は、デザイン会社で日本画や琳派の模写を行い、そこで初めて紙に描く経験を重ねたと語っています。油画を学んでいたときとは、絵の具の触れ方が大きく変わりました。
絵本を作りたいと改めて思ったのは20代半ばから後半。会社勤めが合わず、一人で仕事ができるようになりたいと考えていた時期でもありました。
絵の具とダーマトグラフ、ボールペンなどを使った『金曜日の砂糖ちゃん』では、編集者の広松健児とデザイナーの祖父江慎が制作に関わったことを刊行時に説明しています。
絵を描く技法と、一冊の本として組み立てる仕事の両方を知ると、絵本が複数の専門家の手を経て届くことも見えてきます。
絵本以外の仕事|書籍の装画と『森のノート』
酒井駒子は絵本のほか、小説や児童文学の装画・挿絵を手がけています。ミシェル・ペイヴァーの「クロニクル千古の闇」シリーズの日本語版装画などもその一つです。
2017年には筑摩書房から『森のノート』を刊行。森の近くでの暮らしや、小さな日々の出来事を、文章と絵で綴る初のエッセイ・作品集です。
『よるくま』のようなストーリーを追う絵本と比べて、こちらでは暮らしの中から見つけたものが直接文章に現れます。作品世界の背景を知りたい大人には、絵本とあわせて読む楽しみがあります。
本の表紙に酒井の絵が使われているときは、本文を書いた作家が誰かを確認してみましょう。表紙の絵が呼び起こす感情と、文章の語り手の違いにも注目できます。
2026年現在の酒井駒子|原画展と新たな受賞
2026年3月には三重県伊勢市立小俣図書館で『金曜日の砂糖ちゃん』の原画展が開催されました。3月20日から29日までの会期で、3篇を含む小さな本の絵の魅力を紹介しました。
同年5月30日から8月2日まで、東京都の三鷹市美術ギャラリーで「物語のかけらを見つけに」展が開催され、『はんなちゃんがめをさましたら』の原画も展示されています。現在は終了した展覧会なので、開催中とは書かずに記録として紹介します。
2026年には岩瀬成子が文、酒井が絵を担当した『わたし、わかんない』が、第73回産経児童出版文化賞タイヘイ賞を受賞したことも講談社が発表しました。絵本以外の本でも絵の仕事が続いています。
近年の刊行や受賞を追うときは、酒井が文章まで手がけた本と、挿絵のみ担当した本を区別することが大切です。文と絵の担当を知ることで、作品を選ぶときの手がかりも増えます。
酒井駒子についてよくある質問
酒井駒子はどこで生まれた?
1966年に兵庫県で生まれました。出身市町村や詳しい生年月日は、確認できた公式プロフィールでは明示されていません。
酒井駒子の学歴は?
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業しました。就職後、紙に絵を描く仕事を経験し、絵本制作へと進みました。
酒井駒子のデビュー作は?
1998年に偕成社から刊行された『リコちゃんのおうち』です。初めての商業絵本として東京藝術大学などが紹介しています。
最初に読むならどの絵本がおすすめ?
子どもと読む入口なら『よるくま』、夜の静けさなら『はんなちゃんがめをさましたら』、大人には『くまとやまねこ』などがおすすめです。
『よるくま』は何歳から読める?
偕成社は3歳からを対象年齢の目安としています。親子の読み聞かせでは子どもの興味や怖がり方に合わせて選びましょう。
『金曜日の砂糖ちゃん』は幼児向け?
偕成社の対象年齢は中学生からです。3篇の幻想的な短編が収められ、子どもだけでなく大人も楽しめます。
『くまとやまねこ』は誰が文章を書いた?
物語を書いたのは小説家の湯本香樹実です。酒井駒子は絵を担当し、2009年に講談社出版文化賞絵本賞を受賞しました。
2026年に酒井駒子の原画展はあった?
2026年には三重県伊勢市で『金曜日の砂糖ちゃん』原画展、東京都三鷹市で『はんなちゃんがめをさましたら』原画を含む展覧会が開かれました。
まとめ|夜の光と子どもの時間を絵本で味わう
酒井駒子は、東京藝術大学で油画を学び、紙と古典絵画に出会ったデザインの仕事を経て絵本作家になりました。夜の静けさや子どもの心の動きを描き、国内外で受賞を重ねています。
最初に選ぶなら『よるくま』、絵の奥行きを味わうなら『金曜日の砂糖ちゃん』、共作の物語に心を寄せたいなら『くまとやまねこ』へ。好きな一枚の絵から読み始めてみましょう。











