『11ぴきのねこ』で知られる馬場のぼる(ばば・のぼる)は、青森県三戸町出身の絵本作家・漫画家です。ちょっと欲張りで、失敗しても懲りないねこたちを描き、大人にも子どもにも笑いを届けてきました。
1927年に生まれ、1949年に漫画家を目指して上京。児童漫画『ポストくん』や『ブウタン』を経て、1967年に絵本『11ぴきのねこ』を刊行しました。2001年4月7日に亡くなるまで絵と漫画を描き続けました。
ねこたちのやんちゃな姿は、単純な善悪の教訓ではありません。失敗が笑いになり、仲間とのやり取りが予想を裏切る、その自由さが魅力です。今回は出身地・学歴・漫画家時代・主な受賞歴をたどり、全6冊の読みどころとおすすめの読む順番を整理します。
- 青森県三戸町出身。漫画家として『ポストくん』『ブウタン』などを描いた後、絵本でも活躍した
- 『11ぴきのねこ』シリーズは全6冊。いたずらや失敗をあたたかなユーモアに変える
- 小学館漫画賞・文藝春秋漫画賞・ボローニャ国際児童図書展エルバ賞などを受賞した
漫画家としての出発から絵本の代表シリーズまで。
馬場のぼるの経歴・学歴|青森県三戸町で育つ
馬場のぼるは1927年、青森県三戸町に生まれました。本名は馬場登です。三戸町の公式紹介によれば、幼いころから絵を描くことが好きで、壁や柱にも絵を描いていたそうです。
学校については、三戸町の名誉町民紹介に「旧制中学を4年で修了」とあります。大学名や大学卒業歴は確認した公的な経歴資料にないため、出身大学を推測して付け加えることはしません。
三戸町は青森県南部の町です。後年、馬場が描いた少年時代の風景画や人物画、手描きのポスターが町に保管され、故郷で絵に親しんでいた様子を伝えています。
子どもの頃に描いた線は、のちの丸みのあるねこたちとそのまま同じではありません。それでも、身近なものを見て描く習慣を持っていたことは、漫画家としての長い仕事の始まりを知る大切な手がかりです。
出身地の記録には馬場のぼるを「漫画家・絵本作家」と紹介する記事があります。作品の出発点を絵本だけに限らず、漫画を描いてきた長い年月から考えると、表情や台詞の間合いが生まれた背景が見えます。
終戦後のさまざまな仕事|上京前に描き続けた絵
旧制中学を修了した後、馬場は三戸町で農業、大工、代用教員、ポスター描きなどを経験しました。三戸町の公式年譜には、仕事を変えながら漫画家になる道を探していたことが記されています。
暮らしの中の仕事を知っていることは、後年の絵にもつながります。『11ぴきのねことあほうどり』ではコロッケ店、『11ぴきのねことぶた』では家をめぐる騒動など、生活を題材にした物語が数多く生まれました。
1949年、漫画家を目指して東京へ向かいます。戦後まもないころで、住む場所も仕事もすぐに安定するとは限りませんでした。絵を仕事にしたいという思いが、故郷からの旅立ちを後押ししたのでしょう。
三戸町出身の児童文学者・白木茂が紹介状を書き、その一通が上京後の仕事につながりました。才能だけでなく、人との出会いが創作の道を開いた転機として記録されています。
漫画家として活動を始めた時点では『11ぴきのねこ』はまだ登場しません。読者の前で物語を動かす台詞や、絵の中の動きに磨きをかける時代が続きました。
1950年『ポストくん』連載|漫画家としての出発
1950年、小学館の少年誌で『ポストくん』の連載が始まりました。馬場は児童向け漫画を描く作家として仕事を広げ、雑誌で継続して作品を届けるようになりました。
漫画では、登場人物の動きを少しずつ変えながら、数コマ先の出来事への期待を生みます。馬場の絵本で、ねこたちが一緒に動き、同じ失敗をする場面にも、漫画で培った画面構成が感じられます。
連載漫画は読者の反応が続く中で新たな出来事を描いていきます。絵本も一冊ごとに完結するものの、シリーズの登場人物は別の冒険で帰ってきます。二つの媒体を行き来した経験に注目してみましょう。
当時の漫画がすべて現在の絵本と同じやわらかい色使いだったわけではありません。表現の形は変わっても、登場人物の動きや表情で笑いを作るという興味が仕事の中で続いていました。
1956年『ブウタン』で小学館漫画賞|児童漫画の評価
1956年、漫画『ブウタン』で第1回小学館漫画賞を受賞しました。三戸町とこぐま社の公式資料の両方に記されている、漫画家としての大きな成果です。
漫画の仕事では少年向け作品から大人向け作品へも活動を広げました。漫画家として地位を築いてから絵本へ進んだため、絵本デビューだけを創作歴の始まりと考えない方が正確です。
『ブウタン』で評価された後も、馬場は多様な漫画を描きました。人物の仕草を誇張したり、予想とは異なる結末で笑わせたりする作風は、後の動物の絵本にも重なります。
漫画家を経て絵本を描いた作家の中には、コマ割りの感覚を見開き絵へ移す人もいます。馬場の絵を読むときは、一場面の中で視線をどこへ動かすかを考えるのも面白いでしょう。
1967年『11ぴきのねこ』|絵本シリーズが誕生
1967年、こぐま社から絵本『11ぴきのねこ』を刊行。とらねこ大将と10ぴきの仲間が、大きな魚を求めて出かけます。お腹をすかせた一同の行動が、意外な展開を呼ぶ物語です。
ねこたちは決して模範的な行動ばかりするわけではありません。話し合って何かを決めても、欲望に負けたり、都合のよいことを考えたりします。その人間くささが、大人の読者にもおかしさを伝えます。
最初の作品は第15回産経児童出版文化賞を受賞しました。こぐま社の書誌では、40ページの絵本として紹介され、現在のISBNは9784772100045です。
青いねこたちの顔は、そっくりに見えて一匹ずつ表情が違います。あくびをするねこ、目を丸くするねこ、悪だくみを考えるねこ。複数の登場人物を一度に動かす楽しみがつまっています。
今読む人は、最初からシリーズを知る必要はありません。とらねこ大将たちの空腹、冒険、結末への期待を追ううちに、少し困った仲間たちのことを好きになれる作品です。
1972年『11ぴきのねことあほうどり』|コロッケ店と大きな鳥
1972年、シリーズ第2作『11ぴきのねことあほうどり』が刊行されました。ねこたちはコロッケ店を始めますが、売れ残りのコロッケに飽き、別のごちそうを夢見るようになります。
そこで一羽のあほうどりが現れ、ねこたちに思いがけない話を持ちかけます。願っていたものが目の前に現れても、話は都合よく進みません。期待を少しずつ膨らませる構成が見どころです。
本作は『バクさん』とともに第19回文藝春秋漫画賞の対象となりました。絵本と新聞漫画が並んで評価され、馬場が両方の分野で仕事をしていたことがわかります。
コロッケを作る場面に注目すると、店を続けるための手間と、食いしん坊の本音がぶつかり合います。欲張りな気持ちを笑いに変えるシリーズらしさがよく伝わる一冊です。
1976年『11ぴきのねことぶた』|住まいをめぐる騒動
1976年に『11ぴきのねことぶた』を刊行。旅に出たねこたちは一軒のあばら家を見つけ、持ち主を確かめずに住みついてしまいます。そこへ家を探しているぶたがやってきます。
家を手に入れたと喜ぶねこたちと、家に縁のあるぶたの立場は同じではありません。そこから起こる騒動は、誰が正しいかを説明し続けるのではなく、行動の結果を見せながら展開します。
前作と比較すると、食べ物への欲望だけでなく、住む場所をめぐるねこたちの身勝手さに笑いの焦点があります。ねこたちの言い分を聞きながら、自分ならどうするかと話せる作品です。
44ページの絵本で、出版社は4歳からを目安としています。他人の家を勝手に使うという設定がどう転がっていくかを楽しむ読み方に向きます。
1982年『11ぴきのねこ ふくろのなか』|禁止札といたずら
1982年の『11ぴきのねこ ふくろのなか』では、ねこたちが遠足に出かけます。道に立つ「花をとるな」「橋をわたるな」といった札を見ても、ねこたちはつい決まりを破ってしまいます。
やがて「入るな」と書かれた大きな袋を見つけ、またしても忠告を無視します。いつもの気軽ないたずらが、思わぬ出来事を呼び込む物語です。
読者は次に何が起きるかを想像できます。それでもねこたちは同じ失敗を重ねるため、見守るおかしさが生まれます。注意書きを読めても守れないところが、ねこたちの人間らしさです。
教育的に「決まりを守りましょう」と結論を急ぐより、なぜねこたちは禁止されたことほど気になるのか、読み終えたあとに話してみるとよいでしょう。
見開きの場面ごとにできごとが積み重なるので、読み聞かせで大人と子どもが一緒に驚きやすい一冊です。
1984年の絵巻えほん|マラソン大会を言葉なしで描く
1984年には、長く横に広がる絵巻えほん『11ぴきのねこマラソン大会』が誕生しました。場面をつなげた絵の中を、たくさんのねこたちが走り抜けます。
一般の絵本のようにページをめくるのとは違い、絵を横へとたどる形式です。誰がどこを走り、どんな出来事が起きているのかを追いかけることで、一人ひとりの小さな物語が見えます。
本作は1985年にイタリア・ボローニャ国際児童図書展のエルバ賞を受賞しました。台詞を知らなくても絵の動きで楽しめるという、漫画家の画面づくりの技術も感じられます。
現在流通する通常版は1992年刊行の別判型で、ISBNも当初の大型版とは異なります。書誌情報を比べるときには、1984年の初出と現行版の刊行年を区別すると正確です。
1989年『11ぴきのねことへんなねこ』|宇宙からの訪問者
1989年、『11ぴきのねことへんなねこ』では、ねこたちが川で釣りをしているところへ、水玉模様の不思議なねこが通りかかります。そのねこの正体が、いつもの森とは違う世界へ物語を広げます。
ねこたちは目新しい相手を追いかけ、見慣れない家を訪ねます。友達になれそうな相手でも、自分と違うものを見ると戸惑ったり好奇心がわいたりするところが面白い作品です。
食べ物や家をめぐる物語から、宇宙という想像の広がる題材へ移っていく点も特徴的です。シリーズを数冊読んだ後に、ねこたちの別の一面を知る一冊として選べます。
出版社公式の書誌では1989年刊・40ページで、ISBNは9784772100984。水玉ねこの様子を眺めながら、次の場面で何が起きるか予想してみてください。
1996年『11ぴきのねこ どろんこ』|恐竜と出会う最終巻
1996年刊行の『11ぴきのねこ どろんこ』は、シリーズ全6冊の最後の作品です。山を歩くねこたちは、泥浴びをしている恐竜の子どもと出会います。
はじめは見慣れない生き物との出会いに戸惑いもありますが、思わぬ出来事を通じて距離が縮まります。長く続いたシリーズの結びに、人とのつながりを感じる展開が用意されています。
『11ぴきのねこ』から約30年、主人公たちは相変わらず自分勝手で陽気です。ただし最後まで読んでみると、最初の大きな魚を求める物語とは違う余韻もあります。
本作はこぐま社刊40ページ、ISBNは9784772101394です。最初の一冊としても読めますが、シリーズのねこたちに親しんでから最後に読むと関係の変化を味わいやすいでしょう。
馬場のぼるの主な作品と作風・特徴
馬場のぼるの主要作品を比べる
気になる作品を、刊行時期・ジャンル・作品の位置づけから見比べられます。
いたずらを失敗の笑いへ変える
11ぴきのねこたちは、目先の欲望に弱く、つい自分の都合を優先します。ところが、その行動がいつも望んだ結果につながるとは限りません。うまくいかないことそのものが、笑いにつながっています。
作者はねこたちを外から説教し続けません。読者が自分でおかしさに気づけるように、予想と結果のずれを絵と場面の切り替えで見せます。
一匹ずつ違う表情を描き分ける
とらねこ大将と仲間たちは似た姿をしていても、驚く顔、困る顔、いたずらを思いつく顔が異なります。何匹もいる場面では、一匹の行動を追うだけでも小さな発見があります。
集合したねこたちを動きのある群像に見せる点には、漫画家としての経験が生きています。読み聞かせで表情を探すと、台詞のないねこにも目が向きます。
同じ仲間だからこそ生まれるずるさと温かさ
ねこたちは仲がよい一方で、食べ物や住まいを前に自分勝手な考えも持ちます。理想の集団として描かれず、弱いところも含めて仲間でいるのがシリーズの特徴です。
騒ぎが起きるたび、登場人物は何かを学んだようにも見えます。しかし次の物語ではまた別の失敗をします。その一貫しないところも、現実の人間の姿に似ています。
漫画と絵本を横断する見せ方
『ポストくん』などの漫画には、動作を続けて見せる技術があります。絵本では見開きの場面を使い、次のページへの期待を作り、最後に驚きや笑いが生まれる構成を使っています。
『11ぴきのねこマラソン大会』の絵巻形式を見れば、横につながる場面で出来事を生む手法も楽しめます。絵本と漫画の違いを理解する入口としても、馬場の仕事は興味深いものです。
馬場のぼると白木茂・手塚治虫|人物関係から見る創作
馬場のぼるが漫画家として上京するとき、児童文学者の白木茂が紹介状を用意しました。三戸町の公式資料では、この紹介状を携えて小学館を訪ねたことが漫画家としての出発点とされています。
漫画家・手塚治虫とも若いころから交流し、互いの仕事を尊重したと、こぐま社の公式サイトは紹介しています。『11ぴきのねこマラソン大会』には手塚を思わせるねこも描かれています。
長新太とも漫画家・絵本作家として交流がありました。こぐま社の公式特集に残る旅先のエピソードでは、食べ物の好みをめぐる楽しいやりとりが紹介されています。
出版社こぐま社との長い関係も欠かせません。1967年に『11ぴきのねこ』を刊行してから、最終巻や作品集まで、作家の絵を伝える仕事が続いています。
馬場のぼるの代表作・おすすめ作品6選
『11ぴきのねこ』|シリーズを初めて読むなら
最初の一冊は『11ぴきのねこ』がおすすめです。空腹のねこたちが大きな魚を探す冒険へ出かけ、予想とは違う結末に出会います。人物と物語の基本を知るのにぴったりです。
食いしん坊で団結力がありながら、少しずるいねこたちの特徴が、場面ごとに伝わってきます。最後にどんなことが起きるかを想像しながら読むと楽しめます。
1967年刊・40ページ。こぐま社では4歳からを目安としていますが、細かな表情を見つける楽しみは大人にもあります。
シリーズのねこたちを好きになる入口として、もっとも選びやすい一冊です。
『11ぴきのねことあほうどり』|ごちそうと予想外の笑い
コロッケ店を営むねこたちが、いつもと違う食べ物を求めるお話です。そこへ現れるあほうどりを見て、何かいいことが起きそうだと期待するねこたちの表情が楽しめます。
数字を数えたり、同じ場面が少しずつ変わるのを眺めたりできるので、読み聞かせでも盛り上がります。コロッケを作るねこたちと、食べたいものが変わる気持ちを話し合うのも面白いでしょう。
1972年刊、40ページで、同年の文藝春秋漫画賞を受賞。「次はどうなるの?」という期待を楽しみたい子に向いています。
シリーズ最初の本を知っていると、ねこたちの欲張りさが変わらないところでも笑えます。
『11ぴきのねことぶた』|家をめぐる大騒動
旅の途中で見つけた家を、自分たちの家にしてしまうねこたち。そこへやってくるぶたとの関係が、この作品を大きく動かします。
誰のための家なのか、なぜねこたちはそこに住もうと思ったのか。幼い子どもでも想像しやすい設定の中で、他人の気持ちを考えるきっかけにもなります。
1976年刊・44ページ。少しずるいねこたちの会話が好きなら、この巻から読んでも十分楽しめます。
前作の食べ物の騒動との違いを比べながら読むと、作者が同じ仲間でさまざまな笑いを描いていることがわかります。
『11ぴきのねこ ふくろのなか』|禁止の札が気になる
遠足に出かけたねこたちは、次々と禁止の札に出会います。注意書きに逆らうたびに何が起きるか、読者はハラハラしながら見守ることになります。
大人なら「それはやめた方がいい」と思うところでも、ねこたちは気にしません。いたずらの先にある思いがけない出来事が楽しい絵本です。
1982年刊・44ページ。お話を聞きながら予想を口にするのが好きな子どもに向いています。
読み終えたら、もし自分がねこたちの仲間だったらどうするか、という話題にも広げられます。
『11ぴきのねことへんなねこ』|不思議な友達との出会い
川での釣りの途中、ねこたちは水玉模様の不思議なねこと出会います。後をつけた先では、普段の生活とは違う出来事が待っています。
同じ姿の仲間たちの中へ、見慣れないねこが現れることで、いつもの物語に新鮮さが生まれます。ねこたちが何を不思議がっているかを絵から探してみましょう。
1989年刊・40ページ。宇宙や不思議な存在に興味を持ち始めた子におすすめです。
最初の魚探しやコロッケ店から読み進めると、同じ仲間の冒険が新しい世界へ広がる感覚を楽しめます。
『11ぴきのねこ どろんこ』|恐竜が登場する最終巻
森を歩くねこたちが、泥浴びをしている恐竜の子と出会います。珍しい相手との関わりが、物語の中心になっていきます。
いつものねこたちがどう振る舞うかという楽しみに加え、恐竜の子とのつながりが描かれます。ねこたちの不器用さや温かさを味わいたい人に向きます。
1996年刊・40ページでシリーズ最終巻です。6冊を順番に読んでから手に取ると、より強い余韻を感じられます。
恐竜の子の様子や、ねこたちの表情の変化に目を向けると、シリーズの別の魅力にも出会えるでしょう。
馬場のぼるのおすすめ絵本と読む順番
好みを選ぶと、この記事に登録された作品から「1冊目 → 2冊目 → 3冊目」の読む順番を提案します。
迷ったら『11ぴきのねこ』→『11ぴきのねことあほうどり』→『11ぴきのねことぶた』の順番。最初に仲間を知り、食べ物、住まいという異なる騒動を楽しめます。
刊行順に全部読みたいルート
『11ぴきのねこ』→『11ぴきのねことあほうどり』→『11ぴきのねことぶた』→『11ぴきのねこ ふくろのなか』→『11ぴきのねことへんなねこ』→『11ぴきのねこ どろんこ』。時代の変化もたどれる王道です。
大笑いしたいルート
『11ぴきのねことあほうどり』→『11ぴきのねこ ふくろのなか』→『11ぴきのねこ』。ねこたちの強い欲望や失敗が笑いを呼び、にぎやかな読み聞かせの時間につながります。
仲間と冒険を楽しむルート
『11ぴきのねこ』→『11ぴきのねことへんなねこ』→『11ぴきのねこ どろんこ』。大きな魚を追い、珍しい相手と出会い、最後には恐竜の子と関わります。
馬場のぼるの受賞歴|小学館漫画賞から紫綬褒章まで
1956年に『ブウタン』で第1回小学館漫画賞を受賞。『11ぴきのねこ』では第15回産経児童出版文化賞を受け、絵本分野でも評価されました。
1973年には『11ぴきのねことあほうどり』と新聞漫画『バクさん』で第19回文藝春秋漫画賞を受賞。漫画と絵本の両方に成果があることを示す出来事です。
1985年には『11ぴきのねこマラソン大会』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。1993年には日本漫画家協会賞文部大臣賞、1995年には紫綬褒章を受けています。
1999年には三戸町の名誉町民となりました。国際的な評価と、故郷での長年の敬意の両方が、絵本作家としての生涯を伝えています。
馬場のぼるの生涯・晩年|2001年の死去と遺された絵
馬場のぼるは2001年4月7日に亡くなりました。三戸町の公式紹介では享年73歳と記されています。漫画家として上京してから、およそ半世紀にわたる創作活動でした。
死去後も多くのスケッチが残され、こぐま社では『馬場のぼる ねこと漫画と故郷と』や『馬場のぼるのスケッチブック』など、作品の背景を知る本を刊行しました。
スケッチブックには動物や町の風景、人の仕草を観察した記録が収められています。ねこの漫画が生まれる前に、身近なものをよく見ていた作者の姿を知ることができます。
漫画家と絵本作家という二つの肩書きのどちらかを選ぶ必要はありません。画面の動きと読み聞かせの楽しみを結びつけた仕事全体が、馬場のぼるの魅力です。
馬場のぼるの現在・近況|三戸町に息づく11ぴきのねこ
馬場のぼるが亡くなった後、三戸町はこぐま社の協力で「絵本とお話の町づくり」を始めました。2011年からは「11ぴきのねこのまち さんのへ」として、町のあちこちでねこたちに出会える取り組みを続けています。
町にはねこたちの石像やラッピングバス、店舗の飾りなどがあり、絵本のキャラクターが暮らしの風景の一部になっています。読み聞かせや新生児への絵本プレゼントなど、人を育てる活動も行われています。
こぐま社は2026年の馬場のぼるカレンダーや、シリーズ全6冊のセットも案内しています。今でも単品で読み始めたり、まとめてそろえたりできることは長く愛読されている証しです。
実際に三戸町を訪ねる場合には、町公式の「11ぴきのねこのまち」の案内を確かめるとよいでしょう。絵本の世界と故郷の関係を知ることで、作品の愛され方も実感できます。
馬場のぼるについてよくある質問
馬場のぼるの出身地と学歴は?
青森県三戸町出身。三戸町の公式資料によると旧制中学校を4年で修了しました。
『11ぴきのねこ』は何冊ありますか?
物語のシリーズは全6冊です。ほかに絵巻えほんなどの関連作品もあります。
漫画家でもあったのですか?
はい。1949年に上京し、1950年に『ポストくん』の連載を始め、『ブウタン』『バクさん』などを描きました。
『11ぴきのねこ』を読む順番は?
最初は1967年の『11ぴきのねこ』から。刊行順で読むとねこたちの騒動と作風の変化を楽しめます。
馬場のぼるは何歳で亡くなりましたか?
2001年4月7日、73歳で亡くなりました。
三戸町に11ぴきのねこがいるのはなぜ?
馬場のぼるの故郷だからです。町では絵本を使ったまちづくりや読み聞かせ活動を続けています。
まとめ|馬場のぼるは失敗まで愛おしく描いた絵本作家
馬場のぼるは三戸町に生まれ、戦後のさまざまな仕事を経て漫画家になりました。1967年から始まった『11ぴきのねこ』シリーズは、いたずらや欲張りな気持ちを笑いへ変える絵本として、今も読み継がれています。
最初は『11ぴきのねこ』、声に出して大笑いしたいなら『11ぴきのねことあほうどり』、最後まで読みたいなら『11ぴきのねこ どろんこ』へ。家族や友達と同じ場面を見て笑う楽しみを味わってみてください。











