『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』などで知られるかこさとし(加古里子)は、物語絵本と科学絵本の両方を手がけた日本の絵本作家です。身近な遊びの楽しさを描く一方で、川や宇宙、人体を通じて、子どもが自分の目で世界を確かめることを大切にしました。
1926年、現在の福井県越前市に生まれ、1948年に東京大学工学部応用化学科を卒業。会社の研究所に勤務するかたわら、子ども会や紙芝居を通じて子どもたちと関わり、1959年『だむのおじさんたち』で絵本作家としてデビューしました。2018年に92歳で亡くなるまで、著作は600点余りに達しています。
絵本を選ぶなら、遊びや友情に入りやすい『だるまちゃんとてんぐちゃん』、細部を眺めたい『からすのパンやさん』、笑えるお話を求めるなら『どろぼうがっこう』。科学への関心を育てたい場合は断面を題材にした絵本もおすすめです。経歴・学歴と創作の背景をたどり、読む順番を整理します。
- 東京大学工学部応用化学科を卒業した工学博士で、科学研究と児童文化活動の両方を経験した
- 『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』など、子どもの発見と工夫が物語を動かす
- 1959年に絵本デビュー。物語絵本と科学絵本を描き、2026年に生誕100年を迎えた
絵本作家・科学者としての歩みを6項目で紹介します。
かこさとしの経歴・学歴|福井県に生まれ東京大学へ
かこさとしは1926年3月31日、福井県今立郡国高村(現・越前市)に生まれました。子どものころの故郷には生き物や田畑が身近にあり、自然に親しんだ経験が、後年の科学への興味と重なる部分もあります。
1933年、家族と東京へ転居しました。絵を描く友達や放課後の活動を通じて絵への関心を深め、東京府立第九中学校、成蹊高等学校へ進みます。高等学校在学中には戦時下の勤労動員も経験しました。
1945年に東京帝国大学工学部応用化学科へ入学し、1948年に卒業。卒業後は昭和電工に入社し、技術者として研究に携わりました。科学絵本の背後にある観察や図解の力は、大学での学びや研究経験と切り離せません。
1962年には工学博士の学位を取得し、1966年には技術士(化学)の資格を得ました。絵本作家として名を知られてからも、研究者としての訓練を持つ人物だったことは、科学絵本の正確さを考える際の重要な手がかりです。
当時の学校生活は戦争の影響を大きく受けています。進学先を自由に選び学びを続けることが難しかった時代に、加古が何を学び直したいと思ったのか。本人が後年のインタビューで語った反省とともに読むと、教育への思いの背景が伝わります。
戦争の経験が変えた価値観|子どもへの責任を考える
加古は若いころ、軍人を目指した時期がありました。しかし視力の事情などからその道には進まず、高等学校と大学で学ぶうちに終戦を迎えます。同世代の友人たちを失った経験について、のちのインタビューで悔いを振り返っています。
戦時中に自分が状況を見抜けなかったという反省から、次の世代には自ら考え、判断する力を身につけてほしいと願うようになりました。科学知識を教えること以上に、なぜそれを知る必要があるのかが創作の出発点になります。
彼の描く子どもは大人から指示を受けるだけの存在ではありません。てんぐちゃんの持ち物に憧れるだるまちゃん、店の仕事を手伝う子がらすたちには、自分なりの考えや行動があります。子どもの主体性を尊重する姿勢が絵本の細部に表れています。
戦争経験を理由にすべての作品が同じ教訓を説くわけではありません。むしろ楽しい出来事や笑いの場面にも、自分の頭で工夫する人物を描くことで、生活の中に学ぶ機会をつくっています。
1950年代の子ども会活動|紙芝居から生まれた物語
大学卒業後、加古は会社勤務と並行してセツルメント活動に加わりました。地域の子どもたちと遊び、話を聞き、紙芝居や幻灯を作る活動です。子どもがどこで笑い、何を不思議がるかを、目の前の反応から確かめていました。
1951年には東京・大井町の子ども会活動に参加し、1952年から川崎の活動へ移りました。『あかいアリとくろいアリ』『どろぼうがっこう』など、後に絵本へ姿を変える題材も、子どもたちと接する中で育まれています。
紙芝居は作品を読み聞かせ、反応を見て、別の機会に工夫し直せる媒体です。完成した絵本だけを見ると見落としやすいものの、加古の話づくりには子どもとのやりとりを重ねる時間がありました。
子どもが絵の小さな誤りに気づくことも、作者にとっての発見だったと偕成社のインタビューで述べています。子どもを観察する対象にとどめず、制作のヒントを与えてくれる相手として受け止めていたのです。
1959年『だむのおじさんたち』で絵本デビュー
1959年、福音館書店から『だむのおじさんたち』を刊行して絵本作家としてデビューしました。ダム建設を題材にした作品で、巨大な構造物が作られていく工程を、子どもにも理解できるように描きました。
デビュー作の主題が動物の冒険ではなく工事だったことは象徴的です。ものがどのように作られ、人がどんな役割を担うのかという問いが、創作の初めから重要だったことがわかります。
会社の研究職を続ける一方で絵本や紙芝居の制作が増えていきました。加古が専業作家として仕事をするようになるのは1973年に会社を退職した後です。デビューと独立は同じ年ではありません。
この時期に科学と物語のどちらかへ活動を絞ったわけでもありません。現実に存在する道具や仕事を描き、その仕組みを知る喜びを伝える試みが、後に広い領域へ発展します。
1962年『かわ』|科学絵本で探究心を育てる
1962年の『かわ』は、川の上流から下流へと視点を移し、地形や生活とのつながりをたどる絵本です。ひとつの川を追いかけることで、地図だけではわからない水の働きや、周囲の人の暮らしが見えてきます。
1963年には『かわ』が第10回産経児童出版文化賞大賞を受賞しました。地理や自然の働きを、物語を読むようにたどれる作品として評価された実績です。
加古の科学絵本は、正しい答えを最初に示して覚えさせる構成に限りません。大きく広がる風景から小さな部分に近づくなど、絵を見ながら問いを作れる工夫があります。
後年の『だいこん だんめん れんこん ざんねん』では、ものの断面を手がかりに、普段は見えない内側へ目を向けます。身近なものを別の角度から見る面白さが、科学絵本を貫く柱です。
1967年『だるまちゃんとてんぐちゃん』|遊びと発想の広がり
1967年に福音館書店から『だるまちゃんとてんぐちゃん』が刊行されました。てんぐちゃんの持ち物が欲しくなるだるまちゃんに、家族があれこれ工夫して応えようとします。
だるまちゃんが友達と同じものを欲しがる気持ちは、幼い読者にも身近です。登場する道具や衣服を一つずつ眺めると、見慣れたものに別の使い道を見いだす発想に気づけます。
1968年には『だるまちゃんとかみなりちゃん』が刊行され、その後も新しい友達が登場しました。シリーズは長く続き、だるまちゃんが日本各地の伝承的な存在と出会う物語へ広がっていきます。
だるまちゃんシリーズは、勉強のために読むというより、子どもが次に何をしたくなるかを楽しむ絵本です。読んだあとに身の回りの物を並べて遊んだり、同じものを別の形で作ったりする機会につながります。
1973年『からすのパンやさん』と『どろぼうがっこう』
1973年には、偕成社から『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』『おたまじゃくしの101ちゃん』などが相次いで刊行されました。この時期に会社を退職し、児童文化の仕事へ力を注ぐようになります。
『からすのパンやさん』では、いずみがもりのパン屋の夫婦と4羽の子がらすたちが登場します。子どもたちの発想からさまざまな形のパンが生まれる場面は、絵を繰り返し眺める楽しみにつながります。
『どろぼうがっこう』は、立派などろぼうになるという学校の設定を逆手に取ったユーモア絵本です。まじめに授業へ取り組む登場人物と、実際の行動とのずれが笑いを生みます。
『おたまじゃくしの101ちゃん』では、多くのきょうだいの中で一匹が迷子になり、母親や周囲の生き物も巻き込んだ出来事へ発展します。水辺の生物を細かく描きながら、物語の緊張感も楽しめます。
同じ作者が同じ年に異なるタイプの物語を刊行したことに注目すると、かこさとしを単一のキャラクターの作家としてだけ捉えることはできません。
2013年からす一家の続編|成長した4羽が店を開く
『からすのパンやさん』の刊行から長い年月を経て、2013年に4羽の子がらすのその後を描く続編が登場しました。『からすのおかしやさん』では、チョコくんがお菓子屋さんを開きます。
『からすのやおやさん』『からすのてんぷらやさん』『からすのそばやさん』も同じ年に刊行され、親の店を手伝っていた子どもたちが、思い思いの店を営む姿を読めるようになりました。
最初の一冊を読んでから続編に進むと、かつて小さかった子がらすたちの成長に気づけます。仕事内容はそれぞれ違っても、店で工夫を重ねる楽しさは共通しています。
偕成社のインタビューでは、読者から届いた手紙を受け止め、なぜ多彩なパンの絵が喜ばれたのかを考えたと語っています。読み手の好奇心が新しい物語を生むきっかけになった点にも注目できます。
2018年の死去と2026年生誕100年|作品を残す
かこさとしの生涯・晩年を振り返ると、2018年5月2日に亡くなりました。90歳を超えてからも新しい絵本を手がけ、晩年には沖縄の伝承を取り入れた『だるまちゃんとキジムナちゃん』なども発表しています。
公式サイトの作品・年譜からは、物語絵本、科学絵本、昔からの遊びを調べた研究書に至るまで、長い期間にわたって活動を続けたことがわかります。
2026年は生誕100年に当たり、偕成社では4月に『かこさとし おはなしのほん傑作選(全10巻)』が発売されました。新しいセットに収録された作品は、長年読み継がれてきた『からすのパンやさん』や『どろぼうがっこう』などです。
国立科学博物館の企画展や、各地での展示・出版企画も行われました。作家が亡くなった後も、絵本に登場する問いを次の世代が引き継ぐ機会になっています。
かこさとしの主な作品と作風・特徴
かこさとしの主要作品を比べる
気になる作品を、刊行時期・ジャンル・作品の位置づけから見比べられます。
細部まで眺められる絵と遊び心
パンがぎっしり並ぶ場面、教室の中にいる変わった登場人物、小さな生き物の表情など、絵の隅まで眺める楽しさがあります。ページをめくる時間だけでなく、絵の中を探す時間が物語の一部になります。
たくさんの細部を描くこと自体が目的なのではありません。何かを見つけた読者が、次はもっと詳しく見てみたいと思えるように、目が移る道筋が用意されています。
子どもが自分で工夫する物語
だるまちゃんは欲しいものの代わりを考え、子がらすたちはパンの形を思いつきます。どろぼうたちの失敗も、行動の結果として笑いへつながります。主人公を動かすのは自分の興味や選択です。
読み聞かせのときは結末を先に説明せず、登場人物が次にどうするか子どもに話してもらうのも一案です。思いついた答えの違いそのものを楽しめます。
ものの仕組みを図解する科学的な視点
川の流れ、野菜の断面、人の体などをテーマにした科学絵本は、普段見ている景色の背後にある仕組みを確かめるように構成されています。研究者だった経歴は、図解や段階的な説明に結びついています。
『だいこん だんめん れんこん ざんねん』では切り口という単純な視点変更から、新しい発見を促します。科学を暗記よりも観察の楽しさとして伝える方法が特徴です。
子どもの尊厳と社会へのまなざし
戦争を経験した加古は、次の世代にはよく学び自分で判断してほしいと語りました。その視線は児童文化の活動や、遊びを通した学びの研究にもつながります。
おもしろいお話と社会への関心は矛盾しません。遊びの中で考える力を育てることが、長い創作活動を支える一つの考えでした。
かこさとしと子どもたち・研究者|創作を支えた関係
1950年代のセツルメント活動では、地域の子どもたちが作者にとって重要な相手でした。紙芝居を読んで反応を聞くことは、作品を試すだけでなく、子どもの暮らしや好奇心を知る経験でもありました。
大学では工学を学び、社会人として化学会社の研究所で働いた後も、専門的な調査を重ねています。絵本には教育者や科学者との連携もあり、幼い人に何をどう伝えるかを考えるための知識が生かされました。
長年出版をともにした福音館書店・偕成社との関係も欠かせません。出版社ごとの作品紹介を比較すると、物語絵本、科学絵本、紙芝居の展開が異なることがわかります。
かこさとしの代表作・おすすめ作品6選
『だるまちゃんとてんぐちゃん』|はじめてのお話絵本
初めてなら『だるまちゃんとてんぐちゃん』が選びやすい一冊です。てんぐちゃんの道具がうらやましくなっただるまちゃんが、代わりになるものを見つけようとする楽しい物語です。
ほしいものをそのまま手に入れるのとは違い、身の回りから工夫してみる発想が魅力です。読み聞かせの後に家にあるものを使って「何に見えるかな」と遊ぶことにもつながります。
1967年刊行の福音館書店のロングセラーで、友達の持ち物に興味が出てきた幼い子に向きます。親子でページを眺めながら、同じところを繰り返し楽しめる本です。
お話の楽しさと遊びの発想が一冊にまとまっています。
『からすのパンやさん』|細部まで絵を眺めたい人に
いずみがもりのパン屋の一家を描き、多彩な形のパンが登場します。文章を読んだ後も、どのパンが好きかを選びながら何度も眺めたくなる絵本です。
4羽の子がらすの意見を取り入れるところには、子どもも仕事に参加できるという楽しさがあります。食べ物やお店屋さんごっこに関心のある子どもと相性がよいでしょう。
1973年刊行、偕成社の32ページの絵本です。じっくり絵を眺めることが好きな子なら、一回で読み終えず、日を替えて新しいものを探してみてください。
読むたびに違うパンを見つけられる、見返す楽しさのある一冊です。
『どろぼうがっこう』|笑える絵本が読みたい人に
村はずれの学校で、くまさか校長先生と生徒たちは、立派などろぼうになるため勉強しています。いかにもまじめな学校の様子と、やっていることのおかしさが笑いを呼びます。
夜の遠足など学校らしい行事が登場するので、園や学校に通う子どもにも設定がわかりやすいでしょう。登場人物の言葉を声に出して読むと、場面のテンポを楽しめます。
1973年に偕成社から刊行されました。どろぼうを模倣させる内容というより、反対のことを一生懸命する滑稽さを楽しむ絵本です。
くすっと笑いたいときに向き、教訓を無理に探さず楽しめます。
『おたまじゃくしの101ちゃん』|家族の冒険を味わう
101匹のおたまじゃくしの末っ子が迷子になり、母親が探しに行くお話です。池の中で思わぬ生き物に出会い、危険が近づく場面もあります。
お話を追うときには、たくさんのおたまじゃくしの描き分けにも目を向けてみてください。物語の緊張と、自然の生き物への親しみが同居しています。
1973年に偕成社から刊行された32ページの作品です。少しハラハラするお話を楽しめるようになった子や、カエルなどの水辺の生物が好きな人におすすめです。
単なる数遊びではなく、家族を探す物語として読み応えがあります。
『だいこん だんめん れんこん ざんねん』|科学への入口
果物や野菜を切ったときの断面から、ものの内部を見る面白さへ進む科学絵本です。外からはわからない形や構造を、ページごとに考えながら確かめられます。
読む前に大根やレンコンの切り口を見たり、絵と実物を比べたりすると、自分で見つけたという感覚が深まります。工作や観察が好きな子どもにおすすめです。
福音館書店から2010年に刊行された絵本で、科学絵本を一冊試してみたい家庭にも向いています。年齢が上がってからでも、身近なものを見る視点を変える読み方ができます。
お話だけでなく、知る喜びを味わいたいときの一冊です。
『からすのおかしやさん』|続編へ進みたい人に
『からすのパンやさん』の4羽の子がらすの一羽、チョコくんが成長してお菓子屋さんを始める続編です。前作で家族と仕事を手伝っていた子どもが、自分の店をつくることに新しい楽しみがあります。
お菓子の絵をじっくり眺めるだけでも楽しく、前作を知っていれば、成長した姿や店の工夫にも目が向きます。単独でも読めますが、元のパン屋さんを知ってから読む方が関係をつかめます。
偕成社から2013年に刊行されました。同年に刊行された八百屋、天ぷら屋、そば屋の話へと進めば、家族それぞれの店をたどれます。
読む順番を大切にするなら『からすのパンやさん』の次に選びましょう。
かこさとしのおすすめ絵本と読む順番
好みを選ぶと、この記事に登録された作品から「1冊目 → 2冊目 → 3冊目」の読む順番を提案します。
迷ったら『だるまちゃんとてんぐちゃん』→『からすのパンやさん』→『どろぼうがっこう』がおすすめです。遊びと工夫から始まり、細部を眺める楽しみ、笑いのあるお話へ進めます。
親子で遊びながら読むルート
『だるまちゃんとてんぐちゃん』→『からすのパンやさん』→『おたまじゃくしの101ちゃん』。道具・食べ物・水辺の生き物と、興味の対象を少しずつ変えていきます。
お話のユーモアを楽しむルート
『どろぼうがっこう』→『からすのパンやさん』→『からすのおかしやさん』。奇想天外な学校を楽しんだ後、家族でつくるお店の物語へ進む組み合わせです。
科学と観察を楽しむルート
『だいこん だんめん れんこん ざんねん』→『かわ』→『はははのはなし』。ものの内側、自然のつながり、体の仕組みへとテーマを広げていきます。『かわ』の書誌は版を確認して選びましょう。
かこさとしの受賞歴|科学絵本から菊池寛賞まで
1963年、『かわ』で第10回産経児童出版文化賞大賞を受賞。その後も児童文化や科学絵本の分野で功績が評価され、2008年には第56回菊池寛賞を受賞しました。
2009年には日本化学会から特別功労賞を受賞しています。絵本を多数描いたことに加え、科学知識を伝える仕事と、子どもの遊びを研究する活動が評価された点が特徴的です。
受賞年と作品の刊行年は必ずしも同じではありません。また、文学賞と学会による表彰では評価の対象も異なります。受賞歴を調べる際は作品名と活動分野を合わせて確認すると整理しやすくなります。
かこさとしの生涯・晩年|最後まで続けた絵本制作
90歳を迎えた後も、『だるまちゃんとにおうちゃん』や『だるまちゃんとキジムナちゃん』などを通して、伝承に登場する人物と子どもたちを結ぶ作品を生み出しました。特に『だるまちゃんとキジムナちゃん』は、沖縄の小さな島と伝承的な存在を物語に取り込んだ絵本です。
長く描き続けたのは、幼い読者に対する見方が変わらなかったからでもあります。遊びの発見を尊重し、知らない土地や人の暮らしに目を向ける作品を晩年まで制作しました。生涯を通したテーマの連続性を知るうえで、初期のだるまちゃんと読み比べたい本です。
2026年・生誕100年|新刊と記念企画
2026年はかこさとしの生誕100年です。4月に偕成社から『かこさとし おはなしのほん傑作選(全10巻)』が刊行され、親子で読み継ぎたい作品をまとめて選べるようになりました。
国立科学博物館では科学絵本に注目した記念企画が行われ、関連する書籍も出版されています。絵本を読み終えたあと、現実の生き物や道具を博物館で見て確かめる体験へつなげられます。
加古の公式サイトには刊行情報や展示企画の案内が掲載されています。生誕100年の機会に、物語絵本と科学絵本の両方へ目を向けると、仕事の広がりを理解できます。
かこさとしについてよくある質問
かこさとしの出身地・学歴は?
福井県越前市出身で、1948年に東京大学工学部応用化学科を卒業しました。
絵本作家としてのデビュー作は?
1959年刊行の『だむのおじさんたち』です。
『からすのパンやさん』は何年刊行?
1973年9月、偕成社から刊行されました。
『からすのパンやさん』の続編は?
『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』『からすのてんぷらやさん』『からすのそばやさん』があります。
かこさとしの科学絵本は?
『かわ』『はははのはなし』『だいこん だんめん れんこん ざんねん』などがあります。
初めて読むならどの絵本?
遊びなら『だるまちゃんとてんぐちゃん』、絵をじっくり見るなら『からすのパンやさん』がおすすめです。
まとめ|かこさとしは遊びと科学の両方から世界を描いた作家
かこさとしは福井に生まれ、東京大学で工学を学んだ後、会社での研究と子ども会活動を重ねながら絵本を制作しました。ユーモラスな物語と科学の図解を描き分けつつ、子どもが自分で見て考えることを尊重した作家です。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』から物語を楽しみ、科学に関心が向けば『だいこん だんめん れんこん ざんねん』へ。興味に応じて順番を選ぶと、作品の幅を実感できます。











